Interview

取材の先にあった奇跡の体験

こんにちは、インポーターの加藤です。

先日、書いたまとめ記事です。

【記事まとめ】7月~10月に執筆した記事〜Resumen de los artículos escritos

 

ここでは、他で書けないことを少し。

いつも取材は、驚きと喜びに溢れるひとときとなります。素敵なオファーに感謝するばかりです。しかし今年の中で、いや、これまでの取材人生において個人的に別格の取材を体験してしまいました。

それが、

・【レポート・前編】ジュヴェ・カンプスとブリペディア「WINE SAPIENS III & IV Reveal」イベントレポート

【レポート・後編】ジュヴェ・カンプスとエル・ブリ財団:革新と伝統の融合「WINE SAPIENS III & IV REVEAL」 JUVE & CAMPS Y BULLIPEDIA WINE SAPIENS III& IV

です。というのも、まさかお会いできると思っていなかったフェラン・アドリア氏にお会いできたからです。別格と書いても、スペインワインと食関係の方々は、「ずるい!」なんていう方は皆無のはず。レストラン「エル・ブジ」とフェラン氏は、スペイン料理という枠を超え、ガストロノミー業界に後にも先にもない影響力を与えてくれた存在だから。

 

 

 

その存在をわたしが知ったのは「エル・ブジがクローズする」というニュースでした。4ヶ月後に公開された映画を観て、それまで飲食業界にいた自分の人生をとても愛おしく思うことができました。同時に、「もしもフェラン氏にお会いできる奇跡があったら伝えたい」。叶うはずもないことが心に浮かんだのです。

 

以下、記事より抜粋します。

筆者がレストラン「エル・ブリ」の存在を知ったのは、2011年7月のことでした。それは、閉店のニュースとほぼ同じ時期でした。「いつか行く!」という目標すら持てなかったのです。

11月に公開された映画を観て、さらに後悔が押し寄せました。「エル・ブリ」は、まったく想像もできないようなレストランだったからです。その体験をした人だけが知る、特別な世界。それに触れることなく、幕が下りてしまったことが、本当に悔しかったです。

もし「エル・ブリ」に行っていたら、自分の価値観や人生そのものが変わったかもしれない、そう感じました。食とはただの栄養ではなく、人生に深い影響を与えるものだと気づかせてくれる経験を想像しました。

スペインワインと食協会が発足した時期も同じく11月でした。わたしたちは、上質なスペインのワインと食の情報や素晴らしさをできる限り伝えていくことを決意しました。食の喜びが、私たちの人生を豊かにしてくれることを伝えるために。わたしのように知らなかったことで誰かが後悔することがないように。知らないということは、人生の豊かさを逃してしまうこと。後悔してほしくないのです。だからこそ、ひとりでも多くの方にスペインワインと食文化を知ってほしいと切に願います。

「スペインワインが、食が、人生を変える」そんな経験を、ぜひあなたとも共有できたら協会としてこんなに嬉しいことはありません

スペインワインと食に世界中のフーディーたちが注目し、味わう人たちの心と体を豊かにすること。ガストロノミーを通して、上質でラグジュアリーなスペインを伝えていきたい。そんな思いを持ってスペインワインと食の可能性について考えるとき、2011年からいつも心にあるのがエル・ブジであり、フェラン氏でした。

2度と行くことができないレストラン。そしてフェラン氏と関係者たちの存在が、スペインワインと食協会の発足時にとても大きな影響を与えてくれました。「メディアとして誰かの役に立つ」という思いを、より強くしてくれたからです。あとでも先でもなく、発足時のタイミングだったことに勝手に感謝の気持ちをいだいていました。

 

取材という仕事を通じ、直接、お礼を伝えることができるという信じられない瞬間を体験させてもらえた今回。ドキュメンタリーの中だけで拝見していた奥様にもお伝えできたとき、感激してくださって「ありがとう!キスしていいかしら?」と、抱きしめられたことも、この先ずっと忘れることはないですね。

 

奇跡のような体験させてもらえたわたしは、ますます自分の役目をまっとうしよう!と心決めました。それは、これからも取材して、自分の言葉で伝えていくということと、スペイン産オリーブオイルの素晴らしさを体験してもらうこと。

スペインワインと食って面白そうだな。

そのワイン飲んでみよう。

その料理があるレストランへ行って味わってみよう。

オリーブオイルってこんなに素敵だったなんて!

そうやって、一人でも多くの方々のライフスタイルをちょっとだけhappyにするお手伝いをしたいのです。

今月末は、スペイン出張があります。今のスペインをお伝えてしていきますね。

今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。

 

 

 

 

スペインワインと食協会プロデュース「スペインワインと食大学」とは

企業と一般の人々のプラットホームとなるオトナの学び場「スペインワインと食協会(=スペ食大学)」を開催しています。

多くの人に知られていない「スペインワインと食」を見る、聞く、味わう、体験と、五感を使い楽しみながら、その業界の一流講師による貴重な講義を体験できます。ここでしか得られないリアルイベントならではの仲間との出会いは一生の宝物です。

 


 

スペインワインと食協会とは

スペインワインと食協会は、「スペインワインと食文化を囲み、高品質なスペインの魅力を皆さまと体感すること」を原点に、一過性ではないスペインブームを築く活動をしています。今後もスペインワインと食を真ん中に、新しい取組みや情報をご提供して参ります。

スペインワインと食大学運営 スペインワインと食協会(日本事務局/(株)LA PASION加藤 スペインオフィス/原田)

WEB:spainwinefood.org E-MAIL: info@spainwinefood.org

 

 

今年も「スペインワインと食」に関する情報を、日本とスペインから、イベントの告知も含めて発信してまいります。最新情報をいち早く知りたい方は、毎週金曜日に配信しているスペインワインと食協会のニュースレター「LOHASPAIN」をご活用いただけたら幸いです。無料購読はこちらから

 

 


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加藤智子 Tomoko Kato
加藤智子 Tomoko Kato

福岡県出身のフードジャーナリスト。「食で毎日をもっとうれしく、人生をもっと楽しく」と食×スペインに特化し、オリーブオイルのあるライフスタイルを発信。1997年からシェフ、パティシエ、ワイン販売など多岐にわたるポジションを経験。レストラン「アクアパッツァ」広報・PRとして活躍した後、スペイン食材を輸入販売するLA PASION[現:(株)LA PASION]を立ち上げ、2011年には「スペインワインと食協会」を設立。オリーブオイルを取り入れたライフスタイルを提案し、テイスティング・食育講師としても活動。2016年からフードジャーナリストとして執筆も手がける。毎週配信のニュースレターに読者が増え続け、企業や行政からスペインワインと食関連の取材依頼が殺到している。「LOHASPAIN」WEBマガジン編集長。オリーブオイルソムリエ®。

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オリーブオイルの向こう側〜夢は変わりながら続くもの〜

当初は単独インタビュー企画だった。

オリーブオイルライフスタイルマガジンを発行しようと思ったきっかけが、オリーブオイルご愛用者さまのインタビューです。ラパシオン(弊社)の会報誌をつくって、そこに定期的にインタビュー掲載させていただけたら、と、そんな簡単なことを考えていました。けれども結果的に、別で描いていたマガジン発行企画と不思議なタイミングで重なり、この度マガジンにインタビュー記事の連載を掲載することにしました。

 

オリーブオイルより、つかう人のパーソナルな記事に。

 

インタビューは当初、オリーブオイルのお客さまに「どうしてうちのオイルを選んでくださったのか?お気に入りの美味しい食べ方は?」そんなことをヒアリングさせていただこうと考えていました。その上で、記事を読んだ方が「どういう(仕事をしている)方が、どういう理由でうちのオイルを選んでくださったのか」ということがわかるようにもしようと。ご自身で自営をされている方も多いので、一人でも多くの人に仕事を知っていただくのは、少しだけ世界が広がるお手伝いもできるかなと思ったから。

しかし企画書を書いているうちに、インタビュイーのお人柄にグッとクローズアップしたいと、わたし自身の興味がムクムクと湧いてきました。なぜなら、人それぞれの「仕事や人生」、「どうしてその仕事をしているのか、選んだのか」というテーマに昔から興味を持っていることを思い出したからです。

 

まるでカミナリに撃たれたかような感動とときめきが。

 

企画書を送り、取材に伺うと開口一番にみなさんおっしゃいました。「誰かにこんなふうに話すのは初めて。わたしの話しでいいの?」と。いざスタートすると、さらに驚きます。とても素敵なんです、リアルなストーリーが。「このときどんなことを考えていましたか?今のあなたができるまでどんなことを体験されたのですか?これまでの転機や、現在考えていることは?」それらを夢中で聞きました。

わたしは感動どころか、心から痺れてしまったんですね。途中泣きそうになるのを堪えたことも少なくありません。1時間半のインタビューのつもりが、4時間になってしまった方もいるくらい。気づいたら飲まず食わず、前のめり。多くの人がまだ知ることのないリアルなドラマがそこにあったからです。

すでにわたしが大きな影響を受けていました。インタビュー後にとんでもないエネルギーに満ち溢れていて、取材前と後では身体の中の何かが少し入れ替わったかのような感覚。この気持ちを素敵な記事にすることで話してくださった方々にも証明したい、強く思いながら帰り道についていました。

 

大きく揺さぶられた反動?

 

これらの話しは、一般の方々の話。その業界では知られている方々であっても、歴史に名を残す伝記本に出てくる方ではありません。(今のところ)まだ他の方のインタビューはないとおっしゃっていました。だからこそ、わたしが伝えなければ!と半ば興奮状態だったかもしれません。「〜べき、〜しなければ」などと束縛するようなニュアンスが苦手なわたしなのに、心に浮かぶ言葉は、「わたしが書かなければ!書くべき!」ってそればかりなんです。どれだけの大作になるのか・・・さぁ、書くぞ!と思ったらもっと衝撃なことが起こりました。

 

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えっ?!書けない!

 

結論からお伝えするとインタビューから一年、なんと、ひとつも記事にできませんでした。執筆時間を捻出し、書こうとして「あぁ!違う!」って原稿用紙をくしゃくしゃに丸めて・・・という、あれです。パソコンの前で書いては消して、を延々と繰り返していました。コロナの2021年だったから、は関係ないと考えています。これまでの執筆では、依頼された仕事は納品ができていたからです。自社企画だから締め切りもなく、ただの甘えなのかもしれません。こだわりすぎた故に自分を苦しめてしまい、やりたいことなはずなのに、気がついたときには目を背けたいことに変わっていました。わたしには表現しきれないようなことを企画してしまった、とインタビュイーの方々に申し訳なく、勝手に落ち込んだりもしました。

 

諦めきれない想い。

 

しかし頭の片隅に一年間、ずっとこの企画のことがあるわけです。会報誌でご愛用者様だけにお知らせするのはもったいないどころか、webにして誰でも読めるようにしなければならない!っていちばん思っているのは自分だよね、って。心の奥のわたしが、しつこいんです。笑

「どこにいるかはわからないけど、きっと誰かがこの話しを読むことを必要としてるって。誰かの心に響く内容なんだって。知らない誰かの背中を必ず押してくれる話だって。」書けるかどうかは別としても、それは間違いない、と。そう胸の奥で聞こえるほどに。



だれかの人生は、ぜんぶがリアルなドラマだった

 

忠実に表現しなければ・・・と思い詰めていましたが、時間のおかげか、開き直って現在です。うまく表現することより、わたしの言葉で「伝えてみよう」と思えるようになりました。このままお蔵入りにしたら本末転倒です。そもそも、その方たちにあえて聞かせていただけたからこそ、知ったこと。知られざるドラマの数々。だからこそ、わたしの表現できる範囲でまずは伝える。そういうことで、少しずつ綴っていきます。

ここに出てくる話しは、もしかしたらあなたの一部なのかもしれない、と思います。そのストーリーに昔の、今の、未来の自分が似たような体験があるかもしれない。ないかもしれない。ご自身で人生を切り開いてきた方たちが、いまだから話せること。10年以上前に一目惚れしたオリーブオイルの向こう側に、こんなにも素敵な方々に会えるなんて想像もしていませんでした。ここでしか読めない誰かのリアルなドラマ。いま同じ時代を生きる素敵な方たちの話しを連載していきます。どうぞよろしくお願いいたします。

 

 

 

加藤智子 Tomoko Kato
加藤智子 Tomoko Kato

ラ パシオン オリーブオイルライフスタイルマガジン編集者。福岡県生まれ。「食で毎日をもっとうれしく、人生をもっと楽しく」と食×スペインに特化し、オリーブオイルのあるライフスタイルと食育を発信しながら食品輸入販売、プロモーション、講師、ライターとして活躍中。TV、ラジオ出演他、フードメデイアに寄稿中

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