Grifoll Oil グリフォイオイル Imported Lapasion

オリーブオイルの向こう側〜夢は変わりながら続くもの〜

当初は単独インタビュー企画だった。

オリーブオイルライフスタイルマガジンを発行しようと思ったきっかけが、オリーブオイルご愛用者さまのインタビューです。ラパシオン(弊社)の会報誌をつくって、そこに定期的にインタビュー掲載させていただけたら、と、そんな簡単なことを考えていました。けれども結果的に、別で描いていたマガジン発行企画と不思議なタイミングで重なり、この度マガジンにインタビュー記事の連載を掲載することにしました。

 

オリーブオイルより、つかう人のパーソナルな記事に。

 

インタビューは当初、オリーブオイルのお客さまに「どうしてうちのオイルを選んでくださったのか?お気に入りの美味しい食べ方は?」そんなことをヒアリングさせていただこうと考えていました。その上で、記事を読んだ方が「どういう(仕事をしている)方が、どういう理由でうちのオイルを選んでくださったのか」ということがわかるようにもしようと。ご自身で自営をされている方も多いので、一人でも多くの人に仕事を知っていただくのは、少しだけ世界が広がるお手伝いもできるかなと思ったから。

しかし企画書を書いているうちに、インタビュイーのお人柄にグッとクローズアップしたいと、わたし自身の興味がムクムクと湧いてきました。なぜなら、人それぞれの「仕事や人生」、「どうしてその仕事をしているのか、選んだのか」というテーマに昔から興味を持っていることを思い出したからです。

 

まるでカミナリに撃たれたかような感動とときめきが。

 

企画書を送り、取材に伺うと開口一番にみなさんおっしゃいました。「誰かにこんなふうに話すのは初めて。わたしの話しでいいの?」と。いざスタートすると、さらに驚きます。とても素敵なんです、リアルなストーリーが。「このときどんなことを考えていましたか?今のあなたができるまでどんなことを体験されたのですか?これまでの転機や、現在考えていることは?」それらを夢中で聞きました。

わたしは感動どころか、心から痺れてしまったんですね。途中泣きそうになるのを堪えたことも少なくありません。1時間半のインタビューのつもりが、4時間になってしまった方もいるくらい。気づいたら飲まず食わず、前のめり。多くの人がまだ知ることのないリアルなドラマがそこにあったからです。

すでにわたしが大きな影響を受けていました。インタビュー後にとんでもないエネルギーに満ち溢れていて、取材前と後では身体の中の何かが少し入れ替わったかのような感覚。この気持ちを素敵な記事にすることで話してくださった方々にも証明したい、強く思いながら帰り道についていました。

 

大きく揺さぶられた反動?

 

これらの話しは、一般の方々の話。その業界では知られている方々であっても、歴史に名を残す伝記本に出てくる方ではありません。(今のところ)まだ他の方のインタビューはないとおっしゃっていました。だからこそ、わたしが伝えなければ!と半ば興奮状態だったかもしれません。「〜べき、〜しなければ」などと束縛するようなニュアンスが苦手なわたしなのに、心に浮かぶ言葉は、「わたしが書かなければ!書くべき!」ってそればかりなんです。どれだけの大作になるのか・・・さぁ、書くぞ!と思ったらもっと衝撃なことが起こりました。

 

Grifoll Oil グリフォイオイル Imported Lapasion
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えっ?!書けない!

 

結論からお伝えするとインタビューから一年、なんと、ひとつも記事にできませんでした。執筆時間を捻出し、書こうとして「あぁ!違う!」って原稿用紙をくしゃくしゃに丸めて・・・という、あれです。パソコンの前で書いては消して、を延々と繰り返していました。コロナの2021年だったから、は関係ないと考えています。これまでの執筆では、依頼された仕事は納品ができていたからです。自社企画だから締め切りもなく、ただの甘えなのかもしれません。こだわりすぎた故に自分を苦しめてしまい、やりたいことなはずなのに、気がついたときには目を背けたいことに変わっていました。わたしには表現しきれないようなことを企画してしまった、とインタビュイーの方々に申し訳なく、勝手に落ち込んだりもしました。

 

諦めきれない想い。

 

しかし頭の片隅に一年間、ずっとこの企画のことがあるわけです。会報誌でご愛用者様だけにお知らせするのはもったいないどころか、webにして誰でも読めるようにしなければならない!っていちばん思っているのは自分だよね、って。心の奥のわたしが、しつこいんです。笑

「どこにいるかはわからないけど、きっと誰かがこの話しを読むことを必要としてるって。誰かの心に響く内容なんだって。知らない誰かの背中を必ず押してくれる話だって。」書けるかどうかは別としても、それは間違いない、と。そう胸の奥で聞こえるほどに。



だれかの人生は、ぜんぶがリアルなドラマだった

 

忠実に表現しなければ・・・と思い詰めていましたが、時間のおかげか、開き直って現在です。うまく表現することより、わたしの言葉で「伝えてみよう」と思えるようになりました。このままお蔵入りにしたら本末転倒です。そもそも、その方たちにあえて聞かせていただけたからこそ、知ったこと。知られざるドラマの数々。だからこそ、わたしの表現できる範囲でまずは伝える。そういうことで、少しずつ綴っていきます。

ここに出てくる話しは、もしかしたらあなたの一部なのかもしれない、と思います。そのストーリーに昔の、今の、未来の自分が似たような体験があるかもしれない。ないかもしれない。ご自身で人生を切り開いてきた方たちが、いまだから話せること。10年以上前に一目惚れしたオリーブオイルの向こう側に、こんなにも素敵な方々に会えるなんて想像もしていませんでした。ここでしか読めない誰かのリアルなドラマ。いま同じ時代を生きる素敵な方たちの話しを連載していきます。どうぞよろしくお願いいたします。

 

 

 

加藤智子 Tomoko Kato
加藤智子 Tomoko Kato

ラ パシオン オリーブオイルライフスタイルマガジン編集者。福岡県生まれ。「食で毎日をもっとうれしく、人生をもっと楽しく」と食×スペインに特化し、オリーブオイルのあるライフスタイルと食育を発信しながら食品輸入販売、プロモーション、講師、ライターとして活躍中。TV、ラジオ出演他、フードメデイアに寄稿中